アドベントカレンダー「プログラミング教育 Advent Calendar 2015」が、「プログラミング教育について色々な観点で(中略)幅広く」エントリーを募集していて十分に空きがあったので、12月6日の当番として登録しました。実際の投稿日が一日遅れた点は御愛敬で…。
尚、本記事は自身の体験を主観的にまとめただけであり、統計的根拠に基づいた情報を提供するとは限らない旨を、予め御了承下さい。

もう一つ前置きの注意事項ですが、私の生き方の話を書くにあたり毎度毎度少なからず私の実家の話が出て来ます。それは実家の話を書かないと「その選択肢を選んだ理由」を説明しづらいから書くのであって、もはや過去の話ですし現在なだめすかされるまでもなく距離を置いて暮らしていますので「どこの家でも同じようなものなのに、それで親兄弟を説得出来ないのは、貴方の意思の弱さの問題」などと言ったステレオタイプな指摘や「家族と距離を置いたらどうだ」など分かりきった助言はご遠慮願います。

地域xITx教育

プログラミング教育に関わるきっかけは私自身の活動のスローガン「地域xITx教育」です。
いまの社会で「働く」ことに対する疑問、引きこもり生活、地域活動や地域での社会勉強などの過程を通してこのスローガンを掲げるに至りました。現在、まだまだ発展途上です。

はじまりは「暮らしている地域で私なりに活動したい」と思ったこと

先の「地域での社会勉強」までのくだりを仔細に書くと長くなるので割愛しますが、そもそもどうして「地域」を選んだのかというと根底に「暮らしている土地に根ざして過ごしたい」という気持ちがあったからです。
とはいってもひとところに留まるのが不得手だし(※転職&引っ越しが好き)、人と密接に関わることは不得意なので、暮らしているその瞬間に自分の出来る範囲でという限定はありますが。
元々、私自身が幼少期からあてもなくぶらぶらと彷徨う浮浪者体質で「街を徘徊して何か発見する事が楽しい」と思っていたからでしょうか。実家が経済的に不自由していたこともあって習い事は町の公民館で開かれている講座ばかりだったことなどが影響しているからでしょうか。最初に勤めた職場は大なり小なりインフラシステムに関わるソフトウエア開発の会社で先輩方は僻地の出張が大変そうでしたが私は時々比較的軽度な地方出張をさせてもらえたからでしょうか。とにもかくも家と学校・家と職場の往復だけという生活は苦痛で、暮らしている街なり活動している場所なりで「いま居る場所を意識して過ごす」ことが私にとって自然な行為でした。
また、私のようなコミュ障の根無し草は、その土地に根ざして永く暮らす方々から「場を引っかき回すだけ」の傍迷惑な存在だと認識される可能性も危惧しています。そのあたりは信頼関係だと思うので、ギブアンドテイクの姿勢を見せつつ、意思疎通をできる限り丁寧に慎重に心掛けていますが。
「土地に根ざして」「私なりに活動する」というのは、周囲に私の人間性をある程度理解して貰った上で共存していくということです。それにしても私のコミュ力が低いあまり私の能力を勝手に期待されたり色々勘違いされたりして難儀することがままあるので「私の人間性を理解する気がある」上で「その土地にいる、巻き込み力の高い人達・影響力のある人」達を探して様子を探りつつ上手くやる方法を試行錯誤しているところです。
ということで、地域で暮らす人達と共存・理解できる範囲内で一瞬一瞬を大事に過ごしたいと考えた結果が「暮らしている地域で私なりに活動する」ということでした。

なぜ「IT」を選んだのか

地域活動にITを掛け合わせようと思ったのは、地域で何かしら活動するにあたり、どういったテーマを掲げていこうかと考えている時に丁度シビックテックという言葉を知ったことが大きな理由にありました。元々「情報技術分野が好きだから」という単純な理由もありますが。
もうひとつ、「住んでいる地域の人達がITに関心が高そうじゃなかった」というのもあります。引きこもりをやめて地域での活動を始めようとあれこれ勉強し始めた時、ある御縁で小学校の放課後教室のPC教室のサポートを始めたり、IT系の市民活動団体にも入らないか誘われたりがあったのですよ(その後入会して現在に至る)。それでその時、はっきり言ってITリテラシーは高齢者よりも現役世代の方がずっとヤヴァイと感じました。高齢者、もちろん人にもよりますが、時間と金に余裕があるので物忘れが酷いとか言いながら積極的に勉強なさるんですよ。
逆に、特に現役世代のお母さん方、子供にIT機器を触らせない理由がヤバイです。要するに総じて「自分で使っても訳が分からないものを、子供達がどんどんいじくって何をしでかすのか本当に分からないから、怖くて触らせない」というところなのでしょうけれど、「論理より感受性の方が重要だ」とか「あんな自然発生したものじゃないものを当たり前に受け入れることがあぶない」とか仰るんですよ。そこら辺の道端の井戸端会議とかではなくて、地域の場作り勉強会や異業種交流会などの場で、そんな言葉を聞くわけですよ。ああいう発想をする方々が私の同世代の前後5、6歳(つまり3、40代)にウジャウジャいて、あの人達と一緒に地域について何を話し合えば良いのか考えたら気が遠くなりました…。いやまあだからこそITリテラシーの底上げ教育の必要性を感じた訳ですが。
それはさておき。
掛け合わせのもう一つの理由が、得意分野として他人にアッピールする場合は世の中として高度な専門教育を受けるなり高い専門性を持って報酬を得る活動を行っていたことにせよという風潮が少なからずあるので(「そのくせに、時としてハッタリも大事だとか言い出すし、他人は勝手なことばかり言うよなー」と思っているのは割愛…)、「その定義からすると、私の場合は一応、ソフトウエア開発が最も妥当なのかな」と考えてそうなりました
「そこまで言うからにはITのプロフェッショナルなんだろうな」と意地悪を言う方も多いのは存じています。たかだか数年間だけ密度薄めにシステム開発業務に従事していただけで何にも精通している訳ではないので、そういった批判は甘んじて受け止めます。

なぜ「教育」を選んだのか

最初に「教育」に関心を持ったのは学生時代で、発端は「私の家族と家族を取り巻く環境を改善したかったから」です。
どんな問題があったのかザックリ言うと「日常生活に対して毎日様々な不満を漏らしながらも現状維持に留まっている」ことです。これ、物心ついたころから既にそういう環境下で、ある意味それが「私にとっての普通の環境」でしたが不思議で不思議で仕方なく。「そんなに他人を年がら年中罵倒するほど不平不満が溜まっているなら、不満がでないようにすれば良いじゃない」と感じていたからです。見ていると、みんな「仕方がない」が口癖で、自分自身を変えることを恐れているところも大いにありました。
それで、家族以外の周囲を見回しているうちに「我が家だけではなく他でも起きてる問題だ」と感じ始めて「これじゃみんな駄目になるし、私も駄目な方向へ巻き込まれる!」と危惧し始めました(実際、思いっきり巻き込まれていたんですが…)。
ただ、誰もが言うように「人を変えることは非常に困難」です。そんなに簡単に聞く耳を持つ人なんていないし、そもそも他人を変える行為は気を付けないと自己満足の押し付けにもなりますし、とにかく難しいです。他人に構うことを推奨されないのは「他人に構っていないで自分の事に専念すべき」というのもあるのでしょうけれど「他人のことを気にしたい」と言っているのに「他人のことなど気にするな」って、それはそれで「うるせー大きなお世話だ」と言うところです。
もちろん自分自身の問題はそれはそれとして普段から解決を試みていますが、それとは別に他人が気になってしまうのは、おそらく根っからの「お節介体質」なのでしょう。それをしたら必ず誰かが不幸になったり(不幸せを感じたり)迷惑する(迷惑を感じる)という訳ではないし誰に何と言われてもそうしてしまう行為を無下に否定されても「だったら一体どうしろと…」という話ですね。
それで学生時代のあるとき「他人を変えるには、自分の背中を見せたり、教えを説く立場から道を示すなどが良い」と閃いた結果、一芸に秀でて有名になって大金持ちになるか先生になるのが早いと思い始めました。なかなか短絡的です。ただ、一芸で有名になれるは思えなかったので(貧乏な家庭を救いたくて漫画で一攫千金を目指してましたけどw)、先生になろうと教職課程の単位を取ったり塾講師のアルバイトをしたりしました。ただ、次第に「迷っている他人に道を指し示せるのが有名人か教職員だけというのもおかしいだろう」と思い始めグダグダと迷走しまして、そのまま現在に至ります(爆)。
それと、子供を持つ大人を見ていると「子供によって親が変わる」「子供に親が影響される」と感じる事も少なからずあって、「大人を変えるには、まずは子供から」と思ったというのもありました。ジジババを変えるには先ずは孫から、とか。身近な人の方が、良く分からない他人の言葉より説得力があると言うか、身近な人の良い変化は説得力があるというか、です。
そんな訳で、教育に関心を持っているというよりは「教育という方向から、他人の行動を変えることはできないか。課題を解決できないか」といったところです。

なぜ「プログラミング教育」に関わるようになったのか

そんな訳で「地域xITx教育」で活動を始めることになりまして、その後子供向けのプログラミング教育活動に興味を持ち、活動を始めました(詳細は後述)。
興味を持ったきっかけは偶然の出会いですが、そこからやろうと思い至った直接の理由は「これなら私でもできそう」と思ったからです。「興味を持つまでの最初の道を指し示したり、初歩的なことくらいなら指南できそう」と思ったんですね。至極単純な理由です。
プログラマーとしてプロフェッショナルではない分際で何故プログラミングなら道を指し示せると思い上がることができたのかといえば「世間の評価で言うところの、一応仕事でプログラミングの経験が数年あるから」という根拠からです。
「一応、数年間仕事でやったことがあるなら、まあ1回くらいは話を聞いて良いかも」と仰る方もゼロではないでしょう。それで良いです。ちなみにイラストやデザインの仕事もやったことがありますけれど、業務時間を通算したらプログラミングで飯を食ってきた時間には遙かに及ばないです。それから、私、過去に携わった業務全てに於いて水準以上の作業をできたとは思っていないし、プログラミングスキルは今までなかなかボロカスに言われましたど、目の前で名の知らぬ若い女性に「ふん、こんなくらいなら私でも描ける」とゴミをポイ捨てするノリで作品を放り捨てられたりしたのに比べたらマシな扱いを受けてきたと思います。
それから、私自身がコンピュータープログラミングを体験したくてしたくて仕方なくて小学5年の時から必死で懇願してきたものの、約10年間断固反対され続け(買ってくれるという約束を親が破った上に、アルバイトの給料で買うのも厳禁)物凄く不満を貯めてきた体験もあって「若いうちから『したい勉強ができなかった』なんて体験をして欲しくない」というのがありました(したい勉強ができなかったという意味では「高校で理数科に行ったのだから、理工系・4年制大学・現役入学4年で卒業以外は進学禁止」など、枚挙にいとまがありませんが…)。
それで実際に活動の現場を見学して、その後に自分でも始めてみて「なんとかなりそう」という手応えを感じて、試行錯誤を繰り返しながら現在に至ります。
おそらく「そんな程度の動機なら、私の方がもっと上手くやれる」という方は幾らでもいると思います。私、別に「他の人より秀でてできるからやってる」とは言ってませんし、私よりずっと上手くやれる方はゴマンといると思います。そこまで仰るなら、その方が横入りして勝手にやれば良いと思います。
どーぞどーぞ、御自由にどうぞー。

プログラミング教育のボランティア活動:自宅からのスタート


先述の通り小学校の放課後教室や高齢者向けのPC支援は行っていたのですが、ITリテラシーがより高まるよう仕向ける活動はしていなくて。調べたところ、市内のIT系サークルも参加中の団体とやっていることが五十歩百歩の上に入会条件が50歳以上だったりして、そもそも現役世代や子供を中心としたIT系団体が存在しませんでした。いや、特別イベントで子供向けの活動をしてる人達はいるんですよ。高齢者ですし、特別イベントですし。定期的じゃないんですよ。もう、それが残念で。
それで「初心者の子供向けプログラミング指南なら、私でもできそう」と思ったこともあり、昨年の初夏からCoderDojo Kodaira(以下Dojo)という活動を始めました(※CoderDojo:若者向けプログラミングクラブ。世界的ムーブメント)
ただ、色々問題がありまして、継続に難儀しました。たとえば、最初は自宅で開催しましたが公式的には自宅開催はNGですし、そもそも私自身が未婚の子なしで周囲にDojoに参加出来そうな年齢の子持ちの知り合いがいなくて、参加者ゼロからのスタートだったんですよ(大汗)。いちおう試験的なイベントと言うことで大人も募集してみたのですが、来たのは過去に他で支援活動経験のある知り合いの大人のみでした。
「おまえ…見込み参加者ゼロの状態でよくもやろうと思ったな…」と思った方、仰る通りです(苦笑)。

そもそも会場に関しては、昨年春先に小平市内の公民館地域センターに相談しに行ったら年配の担当職員から「プログラミング教室なんてとんでもない!私塾は禁止!!」と頭ごなしに断られたんですよ。「参加費は無料だし、教室じゃなくてクラブ活動です」って説明したんですけど、全く聞く耳をもってもらえませんでした。あと、「仮に活動趣旨が職員に理解されても、利用するための団体登録できるだけのメンバー数が揃えられていない」問題もありまして…最低5人の構成員が必要なところ、1人で活動していたので…。
次に「児童館でプログラミング講座やったことがある」という情報を得たので児童館に直接相談しにいったら、指定管理業者が講座を開講した当時と交替してたらしく、つれなくされました。具体的には「我々は時々イベントを開催しているが、交響楽団の演奏家やプロ棋士を招くなどして子供達に一流のものに触れさせるためだ。また、コンピューターは数台設置して好きなときに触れるようにしているが、未就学児が触るだけでそんなに需要がない。小学生以上は学校で触れるから。パソコン講座などをここで開いたら、そのためだけに来る子が出て来て、それは困る。そもそもそういったことは民業圧迫になる。」ということででした。一流とか民業圧迫とか…なんなんだ…。

そんなことがあって「小平が駄目なら周辺地域に出向いて活動すれば良い」と発想を切り替えて、場所を提供して下さる方の協力を得てやってみたものの、「プログラミング教室」を求められたり「無料の年齢不問のなんでも相談室」を求められたりで「そうじゃない…そうじゃないんだ…」と悶絶しました。
無理にDojoに拘るのではなくて参加者のニーズに合わせた活動に切り替えるということも検討したのですが、ニーズにあわせて趣旨をクルクル変えれば解決するという問題でもないし(寧ろ混乱を招く)、そもそも私自身がCoderDojoの理念を完全に理解できているとは言い難く参加者に理念をきちんと説明出来ていないことが原因という自覚はあったので、勉強し直すために結局10ヶ月間活動を休止しました。
休止中、後述の勉強会を開いたり、他でワークショップの手伝いをしたり、他のDojoのお手伝いをしたり、英語が不得手なりに英語のドキュメントを熟読したり本部に何度か質問を送ったりして理念を勉強し直して、場所や仲間集めに奔走しました。

私自身のための勉強会:ニーズ拾いと仲間集め


Dojoの活動が思うように捗らないこともあって「まずは、地域の現役世代のIT業種従事者やIT業種に関心のある人達と交流する場をつくろう」と、自主勉強会を始めました(2015年6月で終了)。
私が各種ド素人なので「初心者も歓迎」としたことが良かったのか悪かったのかは未だに判断しにくいところはありますが、1年間色々な方が参加して下さりました。
しかも「あわよくばDojoへの協力者・潜在的な参加者を捕まえられると良いな」と思っていたら幸いにもそういう方がちらほら現れ、お陰様でDojoを再開することができました。
勉強会自体も試行錯誤の繰り返しでした。いまは子供向けの活動で手一杯ですが、いろいろな種を撒いておくことの必要性も感じています。

活動資金で悩むことはある


現在は「参加費を徴収しない」ことが絶対条件のボランティア活動がメインなこともあって、活動資金には現在進行形で悩まされています。真剣に企業スポンサーを募集したいんですけれど、再び「ほぼ一人で活動」状態に戻ってしまったので(開催日の協力者はいるけれど、開催日以外の協力者がいない)、企業向けの広報活動にまで正直手が回っていません…。
けれど、おかげで人的資源が少ない中での運営や資金調達方法を勉強する機会が多々発生したことは寧ろ幸運だと思っています(悲鳴も半分)。足りない頭を駆使してもっと頑張ります。ギブミーマネー。

無償の活動と有償の活動:小さくても細く長く継続するために…


再開後のDojoは夜間に開催(現在は第2、4水曜夜間開催)にしています。これは昨年の経験から、放課後狙いにした方が習い事をしていない子供などに対して「場」として機能しやすいかなと思ったからです。
ただ、小学高学年〜中高生が来るだろうと想定していたのですが、5歳の未就学児から小学低学年の参加者が多いです。それだから駄目という訳ではないのですが「低学年の子って、こんな時間でも大丈夫なの?」と、ある意味で不思議な誤算でした。
低学年の子が多いこともあって、タイピングもままならない彼ら彼女らが継続的に参加できる場にするには?より高度なプログラミング体験を、集中力を途絶えさせずに出来るようにするには?など、いろいろ工夫しがいがあって寧ろ楽しいです。参加して下さる子供達、保護者の皆様、ボランティア協力者の皆様、いつも本当にありがとうございます。
あと、継続のために心掛けていることですが。開催回数を増やす代わりに規模を広げない(参加可能人数を増やさない)、人的資源が限られているので「毎回この人がいれば…」といった期待をせず協力者に対して広く平等に期待する、でしょうか。「積極的に協力します!!」と言っていた協力者がちっとも協力的でなかったり急にフェイドアウトすることもあるので(実際発生しました…)、できるだけ協力者を多く集めてリスク分散できるようにしたいところです。現状は私一人に負荷がかかっている状態で私が倒れたら完全停止してしまいます。リソースなどはオープンにして、私が急死するようなことがあっても誰かしらが既存の資源を活用して直ぐ動けるように準備しているつもりですが、もう少し分散したいですね。

ボランティア活動だけで満足しているのか

最近は小平Dojoだけではなく、他のDojoやプログラミングワークショップの手伝いをしたり、プログラミング講座の運営に関する相談を受けたり何かしらの協力をしたり、有償の教室のお手伝いをするようにもなりました。

ボランティアベースの活動をしつつ「最近、こういう活動ばっかりしてるから多少のノウハウも溜まってきたし、それで飯を食う…営利の活動をしてもいいのではないか」と思ったりもしています。現に有償のお手伝いもしていますし。勿論その方々と競合する気はなく。でも、やはり、時代的に丁度プログラミング教育ブームで乱立状態なのも知っているので程々に隙間を狙って行きたく、慎重に様子を見ています。
Dojoはあくまで「場」ですし、有償教室との共存こそ大事だと思っています。

プログラミング教育って、あなた(とが)は実際なにしているの?

運営の話がメインで、実際の内容のことに触れていなかったのでDojoでの話を少々書きます。

CoderDojoでのメンタリング:課題を楽しんで取り組む

Dojoに参加するプログラミング未経験の子供達にはCode.orgScratchVISCUITを紹介しています。
希望があればHTML/CSSや各種スクリプト言語などにも対応したいのですが、現在はとにかく低学年の子向けの内容に特化し気味です。ちなみに某教室ではJavaなども教えています。
それから、現在のところは1つのツール・1つの課題を延々とやらせるというよりは、色んなものを交互にやることを勧めています。「飽きたなら別のことやりなよ」と声かける程度ですが。
なぜそのようにしているかというと、子供達に自分でモチベーションのコントロールをできるようになって欲しいからです。集中力のある子も集中力のない子も、いずれにせよ楽しくないことは続けられないじゃないですか。少なくとも私は、私自身が夢中になれることにしか集中できません。だから、辛くなったら無理に続けるんじゃなくて別のことをしなさい、と。続けないことは悪いことじゃないし、続けられるならした方が良いけど思い通りに課題をこなすことができなくてギャン泣きするくらいなら1回休憩しろ、と。そういうことを体験的に覚えて欲しいのです。
すごく集中してやめられないとまらない子を止めるのは不得手なので保護者の方にお任せしてますが…(爆)。

「パズルを解いているだけでコードを書いているように見えない」という意見

Code.orgをやらせていると、保護者の方から「うーん、あれがプログラミング…なの…?」と尋ねられます。
課題をクリアすると「●●行のソースを書きました!」とJavaScriptのコードが表示されるので、もちろんその説明もします。それでも、保護者の方はいまひとつピンと来ないのです。
「命令を手順通り実行する」というプログラミングの定義からすれば決して間違ってはいないのですが、どうみても与えられた課題を解くパズルゲームですし。アルゴリズムパズル、といえばいいのでしょうか。とにかく「今やっているのは(一応)プログラミングです」って言っても納得できないものです。そこを無理矢理理解させても満足はしません。保護者が首を傾げているところに無理矢理納得させることは得策ではありません。だから、私は「どんな手順で考えて、どのように組み立てるかを考えるところから始めないと、書けないものです。これは、そのドリルです。」と言っちゃっています。
そもそもコンピューターサイエンス自体、学校で教えている内容だけでは限りがあります。例えばネットワーク技術など。だから、コードを書くための周辺知識として「そういうものもある」と紹介することも、時には必要だと思います。どんな賢い子供でも、全部が全部独力で調べて学んでいるのではなく、友達や親兄弟からの情報で興味を持つことも多いのです。だから、大人が子供の先回りして積極的に色々と紹介して上げる事も必要ではないでしょうか。
私自身はプロトコル通信のプログラミングから覚えていったので、フロントエンド寄りだけではなくてネットワーク通信やハードウエア寄りのプログラミングに興味を持ってくれたら嬉しいので、小学高学年の子にターミナルからpingやtracerouteコマンドを叩くのをやらせてみたこともあります。結構楽しそうでした。バックエンドのことも、きちんと教えれば意外に興味を持ってくれるものです。もっとも、あれはあれで「通信していることが見える化」するので、「自分の力で見えるモノをつくった」部類に入るのかも知れませんが。

世間のプログラミング教育に関する意見に思うこと

時代的に子供向けのプログラミング教育に関する話題を散見するので、思うことをツラツラと書きました。

ビジュアルプログラミング言語に対する否定的な意見に思うこと

近年、ビジュアルプログラミング言語など、視覚的操作でコードを組む環境が充実してきました。
少し気になっているのは、ビジュアルプログラミング言語は他の言語の学びに繋がらないからいただけないという話がチラチラ聞こえることでしょうか。
後述しますが、「他に繋がらないから悪」という考え方は少々短絡的だと思います。そもそも「プログラミング」と言ったら「タイピングしてコードを書かなければプログラミングじゃない」という発想は気持ちが悪いです。個人的な見解としては、プログラミング教育と言ったときにコードを書くことだけを切望されることも、理解出来ません。
プログラミングを学ぶ子供の中には、キーボード入力はおろか、マウス操作もできない子達も参加することがあります。タブレット操作がギリギリ、くらい。そもそも電子機器を満足に扱えないし、なにがコンピュータで制御されているかという話を説明しても理解できていない場合もあります。でも、プログラミングの場に参加します。まずは「IT入門」が必要なのではないでしょうか。でも、「プログラミング入門」に参加しに来るんです。プログラミングが出来ないからって追い返したら、誰がそこを受け止めるのでしょうか。コードを書く姿勢が整っていない子供達でも「コードを書くことを覚えたい」と自然と考えるよう仕向けるような仕組みを準備してもいいのではないでしょうか。それは、誰がやるべきとは一概に言えなくて「ニーズを拾う余裕がある人達がやるべき」だと思います。
理想を言うなら子供がどのような選択肢も選べるようにすべきです。はっきりいって、ビジュアルプログラミング言語だけしかやらないのもスクリプト言語や高級言語しかやらないのも全て大人のエゴ(人的資源の都合)です。でも、子供の自由な要望を受け入れられるほどの余裕が必ずしもあるわけではありません。だから、子供達が大人の都合に乗ってくれるよう幾重にも仕掛けを張り巡らせる程度はしても良いんじゃないかと思います。
実のところ、子供達のメンタリングの際に必要なのはプログラミングスキルだけではなく適切にキュレーションする能力だと思います。ただ、関わっている大人全員がそれができる訳ではありません。だからカリキュラムを絞ったりする訳ですが。
とにかく一番避けたいことは「プログラミングって、一部の才能のある人にしか関係のないこと」と思われてしまうことです。それを全力で阻止したいです。

いま学んでいることが他の言語の習得に繋がるべき云々

近頃こういう活動をしていて気になっているのは、「いま学んでいるものは他の言語の習得に繋がるのか」とかの意見を散見することでしょうか。そこでしか活用できないことよりも応用が利くものを学んだ方が良いという考え方は大いに理解出来ます。ただ、はっきり言ってプログラミング言語についてそんなことを気にしながら学ぶことは全く理解できないんですよ…。
10年後のスタンダードな言語なんて何のために予測する必要があるのか分かりませんし、そもそもどれだけの人が正確に予測できるんですかね(そうとうな有識者でも困難だと言われているのに)。絶対の未来などないし、予測通りの未来なんて気持ちが悪いだけだし。だから中長期的な将来の実用性を気にしながら学ぶだなんて、聞いてるだけで頭が禿げ上がりそうです。
それよりは、基本的なアルゴリズムなど今すぐ必要不可欠な知識の理解や、天変地異が起きても動じないよう精神力を身に付けた方が余程役に立つと思います(最早プログラミング関係なし)。未来と将来に対してバランスを考えた学びを、と言えば良いのでしょうか。ある意味では、プログラミング言語の流行廃りを全力で追い続けながら3つ4つの言語を極めたら、ひょっとしたら不撓不屈の精神力を養えるかも知れませんよ(なんか凄く消耗しそう…)。

まとめ

私はプログラミングを通して「ものづくり」の楽しさを共有していきたい


いろいろ書きましたが、プログラミング教育に関与しているものの、私は子供達に対して言語の構造や仕組みを教えることには関心が薄くて「プログラミングはあくまで手段で、何かを表現したり創る楽しさを知って欲しい」のです。そうは言っても何事も基礎は大事なのでコンピュータサイエンスの基礎も学んで欲しいと大いに思います。もちろん、何事も基礎を知らなくても出来なくはないですが、必ずどこかで壁にぶち当たるので、だったら早い段階で先人の知恵を学ぶ習慣をつけて置いた方が良いです。苦行への耐性もつきます(笑)。
何かしらを直感的に表現する作業はとっかかりやすいです。だから、コンピュータサイエンスとしてではなく、ものづくりの一環として入るのも大いにアリだと思いますし、そんな感覚でDojoに参加されるのも大いに歓迎です。

「テメーの活動には全く興味がないから、少しはプログラミング教育に関する有意義な情報を寄越せ」という方へ

そんな方は、まずはこの辺りの書籍でもお読みになったら良かろうと思います。
プログラミング教育の現状など、ざくっと知ることができます。




ちなみに12月7〜13日は「コンピュータサイエンス教育週間」です

marissa
本日12月7日から1週間、"Hour of Code"ということで、1日1時間コードを書こうというキャンペーンが世界的に行われています。
小平市内でもやったら面白かろうと思いまして、12日に細々と開催します。
興味を持たれた方は、申込み方法などこちらの情報に目を通して御確認下さい。



ああ、久々にブログ書いてみたけど、推敲してる割にはダラダラまとまりがないな。反省…。