本記事は元々「コーダー道場こだいら」のブログ用に書いたものだが、個人的な感情の吐露の量にいささか難を感じ「個人垢で投稿した方が気楽」と判断し、個人ブログに投稿するに至った。
ということで「CoderDojo Advent Calendar 2019」の(一応12月21日枠の)便乗企画として、2019年に小平道場の運営で試したあれやこれやについて書く。

10文字程度で振り返ると「今年も色々あった」である。
箇条書きにすると10項目になった。

  1. YouTubeでの挑戦(1)-チャンネルの情報整理
  2. YouTubeでの挑戦(2)-早朝ライブ配信
  3. YouTubeでの挑戦(3)-ニンジャたちのセルフ企画
  4. オンラインでセッション参加が可能に
  5. 申し込み方法の見直し-作文から面談へ
  6. 中高生のconnpass申し込み
  7. 図書委員の登場
  8. ユースメンター…
  9. 「メンター」という呼称を控えるように
  10. 関係者用Slackに常連保護者を招待した

具体的な内容は後述するが、1万2千数百字あるので興味のある人だけ読んで頂けたら十分である。

YouTubeでの挑戦(1)-チャンネルの情報整理

参加者調査2019の結果」にもあるが、前々から「色々なテクノロジーを紹介して」「有意義な情報を発信して」という御意見を頂いている。
インターネットでも、セッション中でも、毎回毎回色々と紹介してるのに要改善と…足りないんだ…。
一体、誰の何のための「有意義」を求めているのかな…それ、子供たちは欲してるのかな…。
…と、愚痴をこぼしていても埒があかないので、可能な範囲で改善をと、小平道場のYouTubeチャンネルの整理整頓をした。

というのも、日常的にYouTubeを利用するニンジャは多い。
道場でも、自宅でも、外出先でも、親や周囲の大人が許せばいつでもどこでも視聴している。
子供たちが積極的に利用する媒体で情報提供すれば、子供たち自ら能動的に情報収集する可能性が上がるのでは、と考えた。
そこで、ニンジャ達がどんなコンテンツを好んで積極的に見るのかを日々の練習会でチェックしながら、小平道場のチャンネルのホームページ、再生リスト、登録チャンネルなどの内容を見直した。
道場で発信しているコンテンツだけではなく、外部チャンネルから各種ツールの紹介、CoderDojoの紹介などの情報も加えた。
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出典:YouTubeチャンネル「コーダー道場こだいら」

問題は、ニンジャが小平道場のチャンネルを視聴してくれるかどうかである。
「うちのYouTubeチャンネル、あるよ」と伝えたところで「えっ、あるの!?」という反応。
「伝えたから今後は見てくれるよね?」と、思って見ていると、相変わらず反応薄め。
反応の薄い君ら、いまのところ「なにをどのように行う何て名前の場所に参加するか」ではなくて、「とにかく安心して過ごせる場所か」と「一緒に遊んでくれる子が来ているか」しか見てないんだよね…まあ良いけどさ…。

それでいて、反応の薄い子の保護者は「子供が興味のあることをして欲しい」と相変わらずポツリポツリと注文をつける…。
お宅のお子さん、うちの活動に興味が無いから見向きもしないんだよ…興味がないものはないんだよ…ゼロに何を掛けもゼロなんだよ…。
子供に興味を持たせろって言うならさ、ウチの既存の資源を活用して「子供たちが自ら興味を持って行動したくなる方法」を提案してくれよ…貴方がたさ、無駄に仕事を増やす提案ばかりするよね…人的コスト感覚持てよ…無償奉仕だからって全費用ゼロ円じゃないんだよ…ちったあ考えろよ…。
だいたいそうやって貴方が相手を「う〜ん、それならやってみようかな〜」という気にさせる提案を出さないから子供だって動かないんだよ…どうすれば我が子がそう思うか?知らねェよ聞きたいのはこっちだよ…私は興味の無い面倒事には関わりたくないし子供だって同じだと思うよ…我が子の考えそうな事を我が子の目線で想像してみろよ…子供は貴方じゃないんだよ分かれよ…。

YouTubeの配信はボチボチ細々と続ける予定。

YouTubeでの挑戦(2)-早朝ライブ配信

「有意義な情報を発信して」という意見が出たからではないが、1週間、毎日1時間YouTubeのライブ配信を行った。
コンピュータサイエンス教育週間の便乗企画で、過去の記事で報告した通り
12月25日の練習会で点呼をとったが、リアルタイムおよびアーカイブいずれも視聴した人は少なめ。
「有意義な情報を…」と求めてくる人ほど見てくれないのなんでだろうねマジで…。
でも、いつも積極的に参加しているニンジャの一人が配信を見てmicro:bitにチャレンジしてくれたし、結果オーライかな、と。

YouTubeでの挑戦(3)-ニンジャたちのセルフ企画

今春、道場で次の動画を配信した。


突然のガールズユニット企画。一体何事かと思う人もいただろうが、これはニンジャたちが自ら企画したものである。企画はニンジャ、撮影と編集は私。ユニットのネーミングもニンジャ。
経緯を語るタイミングを見失っていたので、ここに書く。

文字起こし用の記録動画のつもりが…

事の発端は、ニンジャ達から日々の感想をもらうための動画撮影だった。
Dojoセッション(練習会)毎に感想シートを書いてもらっているDojoもあるが、小平道場ではやっていない。
ああいう作業は「学校」感が抜けない気がするし、そうでなくても時々参加するディスレクシア(読み書きが困難)の子やオープンクエスチョンのやりとりに課題を抱えている(Yes/Noなど選択肢が明確でないと自己表現が困難な)子たちには多大な困難を伴うからだ。
(やっていないとはいえ、作品発表するときは感想を言ったり尋ねられたり逆に尋ねたりするものだから、常に意識して欲しいところではある)

そんな中の2016、7年、私の生活がガタガタに乱れ、ブログが1年以上下書きのまま放り出しっぱなしになってしまった。
少しずつ更新しているが、2019年12月現在も過去の記事の全てを公開できていない。
誰に指摘を受けたわけでもないが「さすがにこれはいかがなものか」と思い、昨年(2018年)度の序盤に対策を講じることにした。
そこで行ったのがニンジャ達から感想をもらうことだった。

とはいえ、感想シートだと学校感があるし「学校慣れ」している子でないと書くことが難しい。
毎回要求したら確実に書かないだろう。書いても具体性に欠ける可能性が高い。だから数回に1度にしよう。
あと、文字で書かせるのではなく、音声で記録したらどうだろうか。任意で。
しかし音声だけ撮っても、後から見直したときに誰が誰だか分からなくなる可能性がある。そうだ、映像を撮ろう。
それで昨夏から一部のニンジャは動画で感想を撮ることにした。
すると、一人のニンジャが動画で記録を残すことが楽しくなってきたようで、いつしか自ら積極的に「今日の分を撮ろう」と言うようになった。
そしてある日「YouTuberになりたい」という申し出を受けた。
なりたいけどやり方が分からないから協力して、と言う。

ニンジャの夢の実現を支援

動画の撮影だけではなく、YouTubeアカウントの作成、YouTubeへの動画のアップロードなどのやり方が分からない、保護者の協力を得てもなかなか難しくて自力で達成するには困難を伴うようで、それで私に相談したのだろう。強い意欲はあるけれども、本人にはハードルが高すぎるんだな。スモールステップを積むことも大事だ。
過去にも他のニンジャから似た申し出あって実現に協力したし、今回も同様に対応することにした。
小平道場のYouTubeチャンネルに出演し道場への貢献意識が強まることで、当会のリソースを積極活用する期待があるし。
なにせチャンネルの存在を知らなかったのだ。多分、Webサイトや他の情報発信源も知らないし、興味もないんだろうな…まあいいや…。
そういった事情で承諾し、撮影した動画を道場のYouTubeチャンネルに掲載することにした。

保護者の不安に配慮しながら…

ニンジャはノリノリだったが、保護者は大変心配していた。
というのも、ブログやSNSなどへの写真や動画の掲載は承諾したものの、我が子が自らをコンテンツとしてインターネット上で発信することは想定になかったからだ。いや、私もこれは想定外ですよ…。
保護者はインターネット上でのトラブルよりも、インターネット上の情報を見て個人を突き止めた上でのつきまとい行為や各種悪戯などのトラブルを心配していた。インターネットを媒介にしたトラブルの風聞は、情報技術に明るくない人の耳にも届いている。大切に育てた娘が、危険な目に遭う可能性が格段に上がると想像したら、気が気でないだろう。
それで、毎回収録しても全てを公開しない・(初回以降のものは)収録日を極力特定できないようにする・夫婦で内容を確認をしてOKになったモノだけ公開するなど、保護者と約束をした。

そして動画を公開したが、1度では終わらず、もう何度か撮影し公開する約束をすることになった。
というのも、私がニンジャとの間で約束を交わしてしまったからだ。
私は、子供と交わした約束を破ることは一番やってはならないことだと考えている。
私自身が学生時代に実親と交わした約束にトラウマしかないから尚更に…。
だから、子供と約束したからには、それは必ず実現しなければならない。実現出来なければ腹を切る覚悟で誠心誠意謝罪しなければならない。
約束をしてしまったのはニンジャの勢いに気圧されたのもあるが、とにかく承諾してしまったのだから、とにかくやらなければならない。これは私のプライド問題である。

ニンジャが実現したかったことの大半は人気YouTuberの真似事だった。
「こういう風に編集して欲しい」「こういうエフェクトを盛り込んで欲しい」などの細かい注文もあり、動画編集の勉強になった。
撮影した動画を通じて、そのニンジャがどのような思いで参加しているのか・小平道場をどのように思っているのか、参加している本人の言葉で知ることもできた。
こうして彼女は実現したかったことを一応叶えることができた筈なのだが、心中はどうなのだろう。
遠くの世界だと思っていた場所に自分も参加できるという事を知り、何かしら次のステップにつながったのなら幸いなのだけれど。
大人の事情で実現に少々時間が掛かってしまったしなあ…。大人って駄目だなあ…反省…。

それにしても、YouTubeに限らず、インターネットを積極活用すればするほどトラブルは避けられない。
トラブルは現実世界でも起きるけどインターネット上での事は容易に消せないし…。
トラウマになるような怖い思いをして欲しくないと思いつつ、トラブルを避けて何もしないよりは、試行錯誤をくり返しながら自分の世界を広げて欲しいとも思っている。
難しい。すごく、難しい。保護者の不安を払拭しながら活動するとなると、更に難しい。
私自身が家族からの信頼を得ることに失敗しつづけ、強引に生きてきたので、身内との信頼関係の築き方については皆目見当がつかない。
彼女には明るい未来が広がっていますように…。

この企画を通して何が言いたいかと言えば、
「自発的・自主的な学び」って、こういうことじゃない?
それは幼い子どもでも出来るよね?出来てるでしょ?
大人は、子供たちの足りない部分をサポートしてあげたら良いんじゃない?
…という話。

補足

アーカイブ(再生リスト)「こだいらガールズ」

オンラインでセッション参加が可能に

今春、某ニンジャ一家が仕事の都合で遠方へ転居した(自明かも知れないが、一応伏せる)。
CoderDojoを大変気に入ってくれていて、転居先の近隣にDojoがないことを残念がっていた。
(当然のように「作っちゃえば良いんですよ!」とけしかけたら前向きに検討している様子)

それで、転居の際に「インターネットから小平道場に参加できたら良いのに」という話が出た。
おお、確かに。それナイスアイデア。

そこで、そのニンジャ一家が引っ越し先の生活が落ち着いた頃を見計らって少しずつ準備を進め、オンラインでも参加出来るように環境を整えた。
方法はビデオ会議サービスの「Zoom」による配信。

オンラインで複数拠点のDojoや別のイベント会場と接続して交流を図ることは、他のDojoでも事例はある。
柏で見たことがあったし、私自身も八王子xさいたま、DojoCon(2017)xでかドージョー(横瀬)などの経験があるし別段珍しいことではない。
ただ、ニンジャ個人とDojo間は初めてで、ちょっと新鮮だった。


まだまだ色々と運用の課題を抱えているが、少なくとも傷病・急な用事・荒天時・遠方在住などの都合で参加出来ない人達とも時間を共有できるのは良いと実感している。
完全オンライン道場や、オンライン勉強会の開催など、今後も積極的に活用していけたらというところ。
(ちなみに当のニンジャ一家とはオンラインで交流していない…)

申し込み方法の見直し-作文から面談へ

過去の投稿(※)でも言及した通り、これまでは初参加の前に作文提出を義務づけていた。
しかし申し込み方法を改めて見直し、今年10月からは作文の代わって事前に面談を行うことにした。

(※)2018年12月11日投稿「CoderDojoを100回開催して何が変化したかを俯瞰する

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出典:https://coderdojo-kodaira.github.io/participate.html

作文から面談に変更した大きな理由は「子供本人の意志が見えない」ところが大きい。
これまで2年間、数十名から作文を送ってもらったが、子供が自ら作文を書いた例は片手の指の数である。
作文の題材を工夫してみたところ、学童保育感覚で子供を丸投げする保護者を9割カットする効果(※あくまで個人の感想)はあったが、「我が子にプログラミングをやらせたいだけ」の保護者をフィルタリングする機能としてはまずまずだった。
いや、最初のとりかかりが「やらせたい」でも構わないんだけど…継続的に参加する中で「我が子がもっとプログラミングに興味を持つようなことをして欲しい」などと言われても、「それなら強制的に勉強させる教室を探して通ったらどうだ」である。つまり「知らんがな」である。

面談は原則、セッション開催日以外の日程で、オンライン(Zoom)で実施する。
どうしても環境を整える事ができない場合のみ、市民活動支援センターや市内の公共施設の交流スペースを利用して対面で実施する。
特に、対面の面談は原則としてセッション開催中には実施しない。理由はセッションの運営に注力したいから。

そして始めた初の面談は、完全に特殊事案だった。
市のスクールソーシャルワーカー(SSW)が仲介、セッション開催時間中に対面希望というもの。
SSWから事前に提供された個人情報は最小限だし(学年と性別のみ)、実際にやってみたら色んな意味でハードモードで「面接…継続するの無理かも…」と速攻で心が折れそうになった。
1回目は散々だったが、その後はオンラインで、現在のところ平和にやりとりしている。
所要時間は約1時間。こちらの画面等を共有し、後はお互い顔出しせずに音声のみ。
親子共々活発に質問してくれるし、じっくりとお互いの意識のすりあわせができて、大きな支障はない。

こう言ったら難だが、親が子供に自分の想いを押し付け気味なケースをお断りできるのが良い。
「1秒でも早く実家を出たい」という若者なら全力で応援するけど、子供が無気力気味で尚且つ保護者が「ウチの子を預かって下さい」という事案は対応したくない…。
小平道場には、対人関係に困難を抱えているニンジャも参加している。ただし、そんなニンジャも大抵は、私とは会話することができる。
しかし、中には私と会話が全く成立しないニンジャもいる。いまのところ保護者が仲介に入ることで大きな問題は起きていないけれども、正直少々負担…。
「これ以上、私や他のメンバーとの間でコミュニケーションが困難な子が増えると、負担だなぁ」と感じている。
私が発達支援に関する知識を増やしつつ実地経験をたくさん積むか、専門家が運営に協力(常連ボランティアとして参加)してくれたら対応に余裕ができて受け入れ可能になるかも知れないけれど、現状は難しい。
決して障害者差別をするつもりはないが、運営上対応できないものはできないのだから、理解して頂きたい。
サポート体制がないんです…ないの…無理なの…分かって…。

面談は正直、時間が掛かる。
正直、参加希望者は、現場を見ずに話だけ聞いて「行ってみたいかどうか」を判断するのは難しいかもしれない。
とはいえ、1度参加することで「場の空気感」を理解することはできても、その場のコンセプトの理解やお互いの認識のすり合わせが出来るとは限らない。
現場の空気を知ること、認識を摺り合わせること、そのどちらか一方が出来ていれば十分というものではない。両方バランス良く出来ていて欲しい。
何も考えず漫然と過ごしていても上手くフィットする場もあるのかも知れない。
しかし、私は、「何となく過ごしただけで全てを理解し適応できる」ように場を設計していない…。
「なんとなく設計できちゃっていて、みんな理解し合意できている」のだろうか。いや、それはないな…。場のコンセプトを理解し合意できているのなら、「プログラミングをやらせたい親」が「やらせたい親」のままで居続けるはずが、そして指示待ち君が延々と指示待ち君でいるはずがない…。
そう考えると、やはり、初めての参加の前後に、お互いの認識を合わせる時間が欲しい。

オンライン面談は10月から来年3月末までの半年間試し、問題が無ければ他の申し込み方法も併用しつつ継続を検討している。

中高生のconnpass申し込み

昨秋から「中高生はconnpassからの申し込みを可」とした。
というのも、以前から10代の参加者は保護者を介さず若者自ら申し込み手続きを行いたがる傾向があり、「そこを邪魔しない方が良いんだろうな」と感じたから。
他の勉強会…学生LTとか若者の参加者が多めのIT勉強会の申し込み状況などを見ていると、学生本人が申し込んでいるであろうものを散見する。「自ら学びたいって、こういうことでは」と感じる。

それで、現状、connpassの利用には年齢制限は設けられていないが「自分のメールアドレスを持っていて、自ら申し込み手続を行いたがるのは概ね中高生だろう」という判断で「保護者の許可を得た」ことを前提に間口を拡げることにした。
現状は厳密なチェックは行わずに「参加者の良心にお任せ」だが、いざという時…というか法的措置が必要な時の準備は一応していなくもない。
中には飛び込み参加・友達同伴したがるのもいて、流石にそれはお断りしている。
理由は、参加にあたり保護者の承諾が取れていない可能性が高いこと、他の参加者と仲良くするならまだしも内輪で溜まり場にするだけの傾向が高いからの2つ。
親子仲が劣悪な私が言うのも難だが最低でも家族に行き先を伝えてから参加して欲しいし、内輪でつるみたいなら他でやって欲しい。

初参加の場合、当初は「作文提出必須」にしていたが、今秋から「全員、参加ボタンをポチればOK」にした。
だって、自ら申し込み手続きするくらいだから、自分がこれからどういう場所に行くのか多少理解できてるでしょう。
相性が合わないと思えば1、2回来て自己判断で来なくなるし。
そのくらいの判断能力のある人が申し込む、と信じることにした。

もちろん、全ての中高生がconnpass経由ではなく、保護者が(メールで)申し込み手続きをするケースもある。
connpassは1申し込みで1名なので、「下の小さな子も一緒に参加するから」という場合もメール申し込みになる。
中高生1名の参加で保護者が手続きを行う場合は「事情有」のことが多い。詳細は割愛するが、子供が自ら手続きをしない・させない事情がある。
いずれにせよ、各家庭で納得のいく方法で手続きして参加してもらえたらと思う。

まだ申し込みは少ないけれど、最近参加し始めた高校生や常連中高生を見ている限りでは、現状は特に問題ない。
ということで、この運用方法でしばらく様子見する。

図書委員の登場

セッション終了後、帰り際は戦場だ。
毎回のように、会場の片付けの段階になってからニンジャたちが積極的にコチラに絡んでくる。
「ねえ、これ、みてみて〜」「こっちにきて〜」「これが分からないんだけど」などなど。
無邪気な子供たちが積極的に話しかけてくる光景は傍目微笑ましい。
しかし、なぜそれを、よりによって時間を争うタイミングで…。
なぜ、20時半までの2時間の間にできないのか…。
ねえねえ、21時完全撤収って、ちょくちょく言ってるよね…?片付け作業に協力してって、毎回言ってるよね…?
あれやこれやとツッコミを入れたいが、本気で埒があかないので人海戦術でスピーディーに帰り支度を行う。
(10分、15分で撤収作業をするとか、割とよくある…)

そして、帰り際にニンジャたちから図書やコンピュータ端末を借りて持ち帰って良いかとの申し出が来る。
貸出を希望する人はさほど多くないのて、良心に任せて運用して来たのだが、特に今年は色々とトラブルがあった…。
必要以上にモノを借りて行く保護者や(1人1台と制限かけてるのに3台も4台も借りて、挙げ句の果てに全然使わなかったんだってさ!!)、誰かが返却の手続きを踏まずに会場にポイッと置いて行ってそれをそのまま別の人が借りて行く事案、ニンジャが持ち帰ったものを「保護者が紛失」する事案(最終的に弁償してもらった)などなど…いろいろあった…。

帰り際の戦いのさなか、トラブル多発中の物品貸与の対応など、とてもできない。
しかし、貸与は小平道場で非常に大切な取り組みの1つ。やめる気はない。
しかし、私1人では対応出来ない。パニックを起こす。
そこで保護者勢と相談した結果、「図書委員」を設けることになった。
その日に借りたいモノ、返したいモノがあったら図書委員に確認して許可をもらう。
なお、図書委員の仕事はその日参加している保護者が交替でという話になっていたが、下を向いて知らん顔をする人が多く、最近はだいぶ固定化している。困る…。

ユースメンター…

ある日、他のDojoのニンジャが小平道場にやってきた。
「ユースメンターになりたいのですが、どうすればなれますか。」という。
えっ。ユースメンターも単なるメンターと同じで、やりたい人がやれば良いだけの話じゃないの?何か資格が必要だっけ???
メンターになることを目的として他のDojoにやって来るパターンは新しく、色々と勉強になった。
それはそれとして。

セッション中、ニンジャ同士のコミュニケーションが不足していると感じている。
兄弟姉妹や元々の友達どうし、固定メンバーで Minecraft をローカルマルチプレイで遊んでいる者どうし、同じ学校で同じ部活の仲間どうしは何となく交流しているけど、それ以外の子達は交流が少ない。みんな、やってる作業がバラバラだから、あまり共通の話題がないものね…。

分からないことがあってもニンジャ同士で話合うことは滅多にない。
保護者や私やボランティアの大人に尋ねるか、静かに溺れ沈んでいくか。
「そのことなら、あそこにいるあの子が詳しいよ」と伝えると、「えええ…」と嫌そうにする者もいる。そうか、話しかけづらいのか…。

ということで「困った時に相談に乗ってくれる・声掛けOKのニンジャ」の目印が誕生した。Yukiさん作のフェルトのバッジ。


実質ユースメンターの目印だが、毎回必ず付ける必要はない。
その日の気分で着けても付けなくても良いことにしている。
誰だって「今日は話しかけてもいい」「今日は放っておいて欲しい」という日はあるだろうから、自主性に任せている。
現状、利用しているのは1人2人。こちらが声掛けしたら「今日は着けても良いよ」という感じ。
もっとニンジャ同士で交流して欲しいんだけどなあ…難しいな…。

なーんて思っていたのも束の間。
学年があがると、他の人と会話を耳にしたり、偶然作業中の画面を見て興味を持てば交流したりしている。
要らぬ心配だったのかな…いや、でも、困りごとがあっても静かに溺れ沈んだりしてるから、助けてくれそうな人を繋げる必要はあるよ。心配するのも必要。
まぁ、しばらくは様子見かなあ。

「メンター」という呼称を控えるように

相変わらず「手伝ってくれる人はいるにはいるが、なんとなくワンオペ」状態が続いている。
そもそも、保護者やボランティアなどの大人とニンジャとの交流が少ない。
主な原因は2つ。自分にできる仕事が見えない、率先して行動することができない。

自分にできる仕事が見えない人々

「自分にできる仕事が見えない」というのは、必ずしも私が一人で暗黙知を抱え込んでいるという話ではない。
「セッション当日にやること」の情報はWebサイトやGoogleDrive等で公開しているし、会場での保管箱にも入れている。
「セッション以外の日にやること」もTrelloとSlackで共有している(関係者が見ているかどうかは別問題)。
「タスクは可視化されているが、自分は何を担当すれば良いのか分からない」といったところか。
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セッション当日の「雑用」は、最低限、指示があれば動けるものが多い。
問題はニンジャのメンタリングと見守りで、ほとんどの人が「できない」という。
「メンター」「指導者」という言葉が「重い」と言って敬遠される。
「専門家である必要はない。一緒に調べ物をしたり雑談の話相手をするだけでも言い。」と言っても「いやァ私には難しいです」と丁重にお断りされる。

では、外部から見学(兼お手伝い)に来た人達の反応はどうか。
フィードバックをまとめた結果、「子供たちが自ら動いているから、やれること(支援出来ること)がない。」という。 (注:「自ら動いている」とは、即ち「プログラミングをしている」とは限らないので悪しからず…)
いやいや…CoderDojoの参加に必要なものは「情熱」なんだから、「自ら動く」は「できて当たり前」でしょう…本来は。
ひょっとすると「『自ら動く』ことが最終目標か中途目標」の参加者は想像できるし支援出来るが、実践できる状態の参加者の対応経験が浅い可能性がある。それで「どう支援して良いのか分からない」のかも知れない。
そうでなくても「学習する場所」という前提のためか、淡々と作業している参加者を見ると「集中しているみたいだから、邪魔せずにそっとしておこう」と思いがちだ。
果たして「そっとしておく」のは正しい対応なのだろうか。

溺れる人は静かに沈む…

実際には「静かに行き詰まっている」ニンジャもよくいる。静かに溺れて沈んで行く感じ。だから「淡々と作業をしているから、大丈夫」とは限らない。
だから、他愛のない雑談をしながら状況を聞いたり、可能であれば助言をしたり近くの誰かとつなげたり、一緒にヒントを探したり、それが無理なら無理なりに再び雑談したりして関わったりする。ずっと付きっきりでいる必要はないから数分くらいの交流に留め、しばらくしてから再び様子を見てあげたら良いのではないか。
互いに苦手意識を抱いていたり本当にそっとしておいて欲しい子では無い限り、大人が代わる代わる様子を見に行っても問題ないだろう。
溺れ沈んで行くののを誰も気付かないで放置する方が問題だろう。
そういった対応をすることは難しいのだろうか。参加者のことを良く知っている人しかできないことなのだろうか。
それとも、ニンジャの人生が180度変わるような素晴らしい助言をしてしまい、もはや貴方の導きなしでは生きて行けない・他の人ではサポートできない状態となり、その子が路頭に迷うことを恐れるのだろうか。

学習支援する側からすると「Aさんはそっとしておいて欲しいタイプ」「Bさんはコチラから働きかけたあげた方が良いタイプ」などの情報を事前に欲しいのかも知れない。
予備知識がゼロよりはイチでもあったほうが良いとは思うけど、全く準備がないからといって困るものなのだろうか。
私個人は、先入観を持って欲しくないのもあって「コミュニティなのだから、その場で即興的に交流すれば良い」という考えだ。
引き継ぎとかそういうの抜きに、いまやれることをやる。
実際にカルテを作ったり「ニンジャの対応の引き継ぎ」を行っているDojoを過去に見たことがあるが、ニンジャに対してきめ細やかなフォローが望める反面、ともすると運営が疲弊しやすい。小平道場でやるとワンオペがエスカレートしそう…。

率先して行動することができない人々

「率先して行動することができない」のは、「勝手なことをしたら怒られるのではないか」「そんなに深く関わっていないのに出しゃばるのは良くない」という意識が大きいように思う。
自分が直接そのように言われたわけではないが、他のDojoへ行った時にしばしばこのような意見を耳にする。
(いや、「遠慮している」は実際に言われたことがある…)

遠慮しがちな態度をされるのは、各自の性質にも起因するが、遠慮する人が集まりがちな場を作ってしまっていることにも問題がある。
要するに場の設計の粗さが招いたことだ。

どうすれば参加者が積極的に活動に貢献したいと思う気持ちが育まれるのか。
どうすれば参加者にとってもっと参加したいと思う魅力的な道場になるのか。
これは…テコ入れするしかないだろう…
どうやってテコ入れをするの?
動かない人達を一掃するのは簡単なんだけど、勉強会をやるしかないだろう。
しかし、現状は勉強会すら「何をするのか分からない勉強会には参加したくない」呼ばわりされる…ツラタン…。
交流会を兼ねた勉強会なら、敷居が下がりそうだ。
いや、まずは茶話会や飲み会からかも知れない。
DojoConでも紹介されていたファシリテーターワークショップが良さそうな気がする。
しかし、市内の公共施設でやろうにも、「講師」と「ファシリテーター」の区別がつかない職員が多く「私塾」呼ばわりされて実施不可能…誰かファシれる人は現れないか…無理か…。

いずれにせよ「メンター」を嫌がる人が多い中で「メンター」という枠組みを嵌め込もうとするのは無理がある。
だから当面は、大人に関しては「保護者」と「ボランティア(保護者以外の人)」というザックリした分類のみとすることにした。
「枠があるから、それ以上のことをやらない」という意見もあるし、こういう分類の仕方ひとつで何が変わるか分からないけれど、しばらく様子見する。

関係者用Slackに常連保護者を招待した

小平道場は慢性的に大人の参加者どうしのコミュニケーションが不足している。
というのも平日夜間に開催しているので参加者の集まる時間がバラバラだし、終了時刻になると皆で一丸となって撤収作業をして、サッと帰るからだ。
だからセッション開催中が唯一の交流時間なのだが、私がコミュニケーションを取るのがド下手くそだから、そこもままならない。

「いつか日を改めて、じっくりお話を…」なんて考えていても埒があかないので、参加頻度の高い保護者数名を関係者用Slackに加えた。
勉強会には参加したもののセッションの参加は数回という保護者もSlackに参加しているし、特に問題はないだろう。
そもそも「関係者」で参加している人が少なすぎる。
SlackはSlackで、タイムラインが私の投稿で埋め尽くされ気味なので、これを少しでも解消したい…。
try201910

数ヶ月経過したところ、数名の保護者以外は「Slackを殆ど開いていない」状態であることが判明している。
会う度に申し訳なさそうに申告を受ける事もある。
もちろん、Slackのやりとりを見ないなら見ないで構わない。
ただ、ロクに会話に参加しないのに、お客様感覚であれやこれやと注文をつけてきたら容赦するつもりはない。

過去も現在も、保護者から「何か出来ることがあればお手伝いしますよ」という言葉を頂く。
その「できること」は、一体何を指すのかわからないけれど、申し出は素直に有り難い。
普段のセッション内で出来ることだけでなく、バックヤードのタスクで出来ることがあるなら、尚のことありがたい…。
コミュニケーションが増えることで、協力が得やすくなればいいな、というところである。逆の可能性もまた然り。

私自身、色々な人たちとの交流の中で足りない社会性を少しずつ養えて行けたら良いなと思う。
養えるのかなあ…自分次第だよな…。